認知症

小説

いつまでも母親を求めて

「お母ちゃん、どこ行っちゃったの?」 民子は朝、ベッドの中で目が覚めた。6畳にも満たない小さな部屋には民子の他は誰もいない。民子は自分しかいないことに寂しさを覚えて、ベッドから出て立ち上がり、辺りを見回してそう言ったのだった。「お母ちゃんが...